こんにちは
みやび鍼灸接骨院の片山です
今回なんですが、背中の丸まりと首・肩の痛みで来院された、70代男性の施術例をご紹介します
この方が最初に話されていたのが、
「もう年だから、良くならないと思っていました」
ということでした
もともと姿勢が良い方ではなかったそうですが、1〜2ヶ月ほど前から背中の丸まりがさらに強くなり、首や肩にも痛みを感じるようになっていました
仕事はされておらず、普段は家のことをしながら過ごされています
そのため、ご本人も運動不足になっていることや、座っている時の姿勢が悪くなっていることは気になっていたそうです
ただ、
「何か運動をした方がいいとは思っていたけれど、何をすればいいのか分からなかった」
という状態でした
背中の丸まりだけが問題ではありませんでした
来院時に姿勢を確認すると、背中が丸まっているだけではなく、両肩が前に入る巻き肩の状態も強く見られました

さらに確認していくと、
- 背中が丸くなっている
- 肩が前に入っている
- 骨盤が後ろへ倒れている
- 座ると身体全体が後ろへ沈みやすい
- 首や肩に力が入り続けている
- 身体の力を抜こうとしてもうまく抜けない
という状態でした
ご本人は首と肩の痛みを一番気にされていましたが、実際には首や肩だけを施術すればよい状態ではなかったんですね
骨盤が後ろへ倒れた状態で座ると、その上にある背中も丸まりやすくなります
背中が丸まると、身体の前側では胸まわりや腕の筋肉が縮こまり、肩が前へ引っ張られやすくなります
その姿勢のまま前を向こうとすると、首や肩の筋肉が頑張り続けることになります
日本整形外科学会の肩こりに関する情報でも、猫背や前かがみの姿勢、運動不足、長時間同じ姿勢を続けることなどは、肩こりや首・肩のつらさに関係する要因として挙げられています
この方の場合も、首と肩だけではなく、胸まわり、背中、骨盤、股関節を含めて確認する必要があると考えました
最初に行った施術
施術では、前に入った肩を無理に後ろへ引っ張るのではなく、まず身体の前側にある筋肉の緊張を確認しました
特に施術を行ったのは、
- 胸の筋肉
- 前鋸筋
- 上腕二頭筋
- 胸椎まわり
- 腸腰筋
などです
胸や腕の筋肉が強く緊張していると、肩が前へ入りやすくなります
また、腸腰筋など股関節まわりの動きが低下すると、立つ、座るといった日常動作でも姿勢を保ちにくくなる場合があります
そのため、首や肩の痛みがある場所だけではなく、今の姿勢につながっている可能性がある部分を一つずつ確認しながら施術を行いました
施術中も身体に力が入りやすかったため、強く押したり、無理に動かしたりするのではなく、呼吸をしてもらいながら少しずつ力を抜けるように進めました
1回目から背中と巻き肩に変化が見られました
1回目の施術後には、施術前と比べて背中の丸まり方と肩の位置に変化が見られました
ご本人にも立った時や座った時の感覚を確認してもらうと、
「さっきより身体を起こしやすい」
と話されていました
ただし、1回の施術で長年の姿勢がそのまま固定されるわけではありません
院内で身体を動かしやすい状態をつくっても、普段の生活で以前と同じ座り方を続けていると、少しずつ元の姿勢へ戻りやすくなります
そこで、施術だけではなく、ご自宅で続けられる運動も一緒にお伝えすることにしました
自宅で行ってもらった運動
今回お伝えしたのは、特別な器具を使う難しい筋トレではありません

普段行っている椅子からの立ち上がり方を少し変えて、お尻の筋肉を使う練習をしてもらいました
椅子から立ち上がる時に、膝や太ももの前側だけで頑張ろうとすると、身体が不安定になったり、立ち上がるのが大変になったりすることがあります
そこで、
- 足の位置を整える
- 身体を無理に反らさず、少し前へ移動する
- 足の裏で床を押す
- お尻の筋肉を意識して立ち上がる
- 勢いだけで座らず、ゆっくり椅子へ戻る
という動きを、院内で一緒に確認しました
もう一つお伝えしたのが、座っている時の姿勢です
この方は骨盤が後ろへ倒れ、背もたれに身体を預ける座り方になりやすい状態でした
そのため、ずっと胸を張って頑張るのではなく、骨盤を起こし、下腹部に軽く力を入れて座る練習をしてもらいました
姿勢を良くしようとして、首や肩にまで力を入れてしまっては、かえって疲れてしまいます
大切なのは、肩の力を抜きながら、お腹やお尻など姿勢を支える部分を少しずつ使えるようにすることです
ご本人がしっかり運動を続けてくれました
来院間隔は、身体の状態を確認しながら10日に1回を目安にしました
何回か施術を続ける中で、胸や肩まわりの緊張が少しずつやわらぎ、首と肩の痛みも軽減していきました
特に大きかったのは、ご本人が自宅での運動をしっかり続けてくださったことですね
最初は椅子から立ち上がる時にも身体全体に力が入っていましたが、徐々にお尻の筋肉を使って立てるようになってきました
座っている時も、気がついた時には姿勢を整え、お腹に軽く力を入れることを意識してもらいました
施術で身体を動かしやすくして、ご自宅でも正しい動きを繰り返す
この二つを一緒に行えたことで、姿勢だけではなく、首や肩の痛みにも良い変化が出てきたのだと思います
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」高齢者版でも、高齢の方は座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにし、体力に合わせて少しでも身体を動かすことが勧められています
筋力、バランス、柔軟性などを組み合わせた運動も勧められていますが、大切なのは、年齢や体力を考えずに無理な運動をすることではありません
まずは今できる動きから始めて、続けられる形にすることが大切ですね
「孫と旅行に行けたことが一番うれしい」

現在は首と肩の痛みがかなり落ち着き、姿勢も来院された頃より良い状態になっています
そして何より、ご本人がとても喜ばれていたのが、お孫さんと一緒に旅行へ行けたことでした
後日、
「もう年だから良くならないと思っていました」
「運動や姿勢を直さないといけないとは思っていたけれど、やり方が分からなかったので、教えてもらえて安心しました」
「孫と旅行へ行けるくらい元気になれたのが、一番うれしかったです」
と話してくださいました
私たちにとってもうれしい言葉でしたね
施術の目的は、姿勢の見た目だけを変えることではありません
痛みや身体の不安を減らし、その方がやりたかったことを続けられる状態を目指すことが大切だと思っています
今回の方にとっては、それがお孫さんとの旅行でした
現在も10日に1回のメンテナンスを続けています
現在も、10日に1回を目安にメンテナンス施術を行っています
首や肩の痛みはかなり良好ですが、年齢に伴う身体の変化や、長く続いてきた姿勢の癖がすべてなくなるわけではありません
そのため、現在は痛みを追いかけるためだけではなく、
- 今の良い状態を保つ
- 身体が硬くなりすぎないようにする
- 自宅での運動が正しくできているか確認する
- 日常生活で困る動きが出ていないか確認する
- これからも旅行や外出を楽しめる身体を維持する
という目的で施術を続けています
身体は使わなければ、少しずつ動かしにくくなっていきます
反対に、年齢が高くても、その方に合った施術や運動を無理のない範囲で続けることで、身体の使い方や日常生活の動きに変化が出ることはあります
70代だからといって、すべてを諦める必要はありません
「もう年だから仕方がない」
「運動した方がいいのは分かっているけれど、何をしたらいいのか分からない」
「自己流で運動をして、かえって痛くならないか心配」
このように感じている方は多いと思います
年齢に伴う骨や関節の変化を、すべて元通りにできるわけではありません
ただ、身体の状態を確認し、動かしやすい部分を増やしたり、日常生活に必要な筋肉を少しずつ使えるようにしたりすることはできます
無理に背筋を伸ばし続けたり、いきなり回数の多い筋トレを始めたりする必要はありません
まずは現在の姿勢や動き方を確認して、その方が安全に続けられる方法を見つけることが大切です
当院では、施術を行うだけではなく、座り方や立ち上がり方、ご自宅で続けられる運動も、その方の状態に合わせてお伝えしています
今回の事例が、背中の丸まりや首・肩の痛みで悩んでいる方、年齢を理由に諦めかけている方にとって、少しでも参考になればと思います
よくあるご質問
70代からでも姿勢を見直すことはできますか?
年齢だけで決めることはできません
骨や関節の状態、筋力、普段の生活、持病などによって変化には個人差がありますが、座り方や立ち上がり方など、日常の身体の使い方を見直せる場合はあります
無理に姿勢を矯正するのではなく、今の身体で安全にできることから始めます
首や肩だけを施術するのですか?
首や肩に痛みがあっても、原因となる負担が胸、背中、骨盤、股関節などに関係していることがあります
そのため、痛む場所だけで判断せず、姿勢や身体全体の動きを確認して施術する部分を決めます
どれくらいの間隔で通院すればよいですか?
身体の状態や生活状況によって異なります
今回の方は10日に1回の施術を継続していますが、すべての方に同じ間隔が必要なわけではありません
初回の状態や施術後の変化、自宅で運動を続けられるかなどを確認しながら考えていきます
痛みがあっても筋トレをして大丈夫ですか?
強い痛みを我慢して行う必要はありません
痛む動きや身体の状態を確認したうえで、回数や動かす範囲を調整することが大切です
手足のしびれや力の入りにくさ、歩きにくさ、細かい手の動作がしづらいなどの症状がある場合は、頚椎などの病気が関係している可能性もあるため、まず整形外科での確認をご案内する場合があります
※本記事は当院での一事例を紹介したもので、すべての方に同じ経過や変化を保証するものではありません
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筆者:片山











